一般皮膚科

たかが水虫、されど水虫
大きなトラブルになる前に、しっかり治療しましょう

水虫とは?

水虫は、白癬菌という皮膚の真菌症(カビの一種)が原因で発症します。

日本人の4人に1人が経験するとても一般的な皮膚の病気疾患です。

白癬菌は湿気を好むため、汗をかきやすい夏や湿度の高い場所で増えやすい特徴があります。

この菌は身体のいろいろな部分に感染しますが、最も多いのが足で、次に多いのが爪です。その他にも頭部や股間、体のあらゆる部位に感染することがあります。

水虫は菌に直接触れることで感染するため、公共浴場、サウナ、銭湯やプール、スポーツジム、家族間でのタオルや足マットの共有などを通じて広がります。

足白癬や爪白癬が進行すると、治療が長期間に及んだり、治すことが難しくなることもあるため、発見したらすぐに治療を行うことが重要です。

水虫

足白癬(足水虫)の症状

小水疱型では、小さな水疱ができ、強いかゆみを伴うこともあります。

趾間型は、足の指の間が湿って白くなり、皮がむけ、指の間に亀裂が入ったようになる場合もあります。

また、その傷から細菌感染を起こし、足が腫れるなどの二次被害が起こることがあるため注意が必要です。

角質増殖型は、かかとや足の裏が硬くなり、乾燥してひび割れることがあります。また、非常に治りにくい症状の一つです。


足白癬(足水虫)の診断

足水虫の診断は、皮膚科医が患部の状態を目で見て診察するとともに、必要に応じて患部の皮膚や爪の一部採取し、それを顕微鏡で見て、白癬菌の有無を判断する検査を行います。

検査は数分で終わり、結果もすぐ出ますので、自己診断をするのではなく、皮膚科専門施設での診察を受けることが重要です。

足白癬(足水虫)の治療

足水虫の治療には、主に外用薬が用いられます。

白癬菌に効く抗真菌薬の塗り薬(軟膏・クリーム・ローション)を患部に塗布します。

市販の外用薬で対処できる場合もありますが、症状が重い場合や効果が見られない場合は、白癬菌が原因かどうかを含めて正確な診断を受けるために、医師の診察と検査が必要です。

治療期間は数週間から数ヶ月に及ぶことが多く、完治するまで根気よく続けることが重要です。

また、足白癬が進行して爪に感染してしまった場合、爪白癬の治療が必要となります。爪白癬は足白癬よりさらに治りにくいこと、市販薬で爪白癬向けのものが現時点で販売されていないことから、必ず医療機関を受診する必要があります。

足白癬(足水虫)の悪化原因と対策

足水虫が悪化する主な原因は、湿気や不衛生な環境、免疫力の低下、糖尿病などがあげられます。

対策は足を常に乾燥させること、靴下をこまめに交換すること、毎日しっかりと足を洗うことが推奨されます。

また、公共施設を素足で利用した際は、必ず同日中に足を入念に洗浄することが重要です。

温泉での入浴後に足を洗ったから安全だと思い込まないでください。実際には、脱衣所で他人の白癬菌が足に付着し、足白癬(足水虫)に感染するケースが少なくありません。

このリスクを認識し、適切な予防措置を講じることが大切です。


爪白癬(爪水虫)の症状

爪水虫は、爪が白く濁り、時に爪が厚くなるのが特徴です。

症状が進むにつれ、爪の表面がもろくなり、ボロボロと崩れやすくなることもあります。

さらに進行すると、爪の下に角質やゴミが溜まり、不快な臭いがします。

爪水虫は足の爪に多く見られますが、手の爪にも感染することもあります。

爪白癬(爪水虫)の診断

爪水虫の診断も、皮膚科医が爪の状態を目で見て診察するとともに、顕微鏡検査を行います。

爪の一部を採取し、白癬菌の存在を確認します。

爪水虫は見た目で他の爪の病気と区別がつきにくいため、専門的な診断が必要です。

爪白癬(爪水虫)の治療

爪水虫の治療は、抗真菌薬の内服をお勧めします。

しかし、内服薬には肝機能障害や貧血などの副作用があるため、特に高齢者には使用が難しい場合があります。

最近では、爪にしっかり浸透する外用薬が登場し、内服薬が使えない患者にとって効果的な治療法となっています。

内服薬には、ネイリン(ホスラブコナゾール)、ラミシール(テルビナフィン)、**イトリゾール(イトラコナゾール)**などがあります。

外用薬では、**クレナフィン(エフィナコナゾール)やルコナック(ルリコナゾール)**が使用されます。

治療期間は半年から1年程度必要で、爪が完全に生え変わるまで治療を続けることが求められます。

また当クリニックでは、保険適応のレーザー治療のルニュラレーザーをご用意しています。

なかなか爪が伸びず効果が見えにくい、内服ができない(肝機能が悪い、ほかの内服との相性が悪いなど)の方にオススメしています。

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爪白癬(爪水虫)の悪化原因と対策

爪水虫の悪化原因には、湿気、爪の傷、免疫力の低下、糖尿病などがあります。

対策は、毎日爪をチェックすること、爪を清潔に保つこと、靴の中の湿度を管理すること、免疫力を高め、血糖をコントロールするための生活習慣を整えることが推奨されます。


水虫の予防

水虫の予防には、まず足を清潔に保つことが重要です。

毎日石鹸で洗い、よく乾かすことを心掛けましょう。

また、靴下や靴をこまめに交換し、湿気を避けることも大切です。

公共の場ではスリッパを持参し、裸足で歩かないようにしましょう。

家庭内で水虫が発生した場合、タオルやバスマットの共有を避け、感染拡大を防ぎます。

女性にも白癬菌感染者が増えています。ストッキングやブーツを履く方は特に注意が必要です。

職場で靴を履き替えるなど、靴の中を湿らせない工夫をしましょう。

よくある質問

水虫は遺伝しますか?
水虫そのものは遺伝しませんが、白癬菌に感染しやすい体質は遺伝する可能性があります。また、家族内での接触により感染が広がることがあるため、予防対策が重要です。
水虫は完治しますか?
水虫は適切な治療を行えば完治します。しかし、治療を途中でやめてしまうと再発することがあるため、完治したと確信できるまで治療を続けることが必要です。
水虫は市販薬は使用しても大丈夫ですか?
軽度の水虫であれば、市販薬でも効果が期待できます。ただし、効果が見られない場合や症状が重い場合は、専門医の診察を受け、処方薬を使用することが望ましいです。また、市販薬の使用により症状が隠れることもあるため、正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。

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