こんにちは。秋葉原スキンクリニック 副院長の矢田佳子です。
前回の記事(やけどになってしまったら。やけどの種類と対処法をご紹介します。)で、やけどについて、その種類と対処法をご説明しました。
今回は、前回少し触れたビタミンAを使ったケアについてもう少し詳しくお話していきます。
ビタミンAを使ったAケアとは?
ビタミンAを活用した、体と肌のケアを「Aケア」と呼びます。
Aケアには、ビタミンAを含んだ食品やサプリを摂取して「体の中から」ケアする方法と、肌に直接塗布することで「肌の表面から」ケアする方法の2つがあります。
前回の記事でもお話しましたが、やけどは初期治療を適切に行うことが第一です。
ビタミンAは、主にやけどの傷が治ったあとのアフターケアに使用するもので、やけどのあとにAケアを導入することにより、色素沈着や傷痕を改善することができます。
次にビタミンAについてご説明します。
ビタミンAとは?
ビタミンAは脂溶性ビタミンで、皮膚や粘膜、目の健康を保ち、免疫機能などに関わる栄養成分です。
細胞の成長や分化にも関わっているため、心臓、肺、腎臓などの器官にも重要な役割を果たしています。
ビタミンAは、シミ、ニキビ、シワなどのトラブルが起こりにくい肌をつくる効果があります。
肌の表面から塗ることで浸透させることができますので、皮膚に効果を出したい時は、塗るAケアがお勧めです。
ビタミンAは、皮膚のターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)を整えるため、色素沈着や毛穴のつまり、ニキビを改善します。
また、コラーゲンやヒアルロン酸を増やして、肌に弾力やハリを出す効果もあります。
やけどとAケア
やけどの傷痕が残るかは、やけどの深さにより変わってきます。
浅いやけどでできた傷は、赤みや黒ずみ(炎症後色素沈着)になります。
赤みや黒ずみは、紫外線を避け保湿ケアをするだけでも改善はしますが、美白剤やビタミンA・Cなどを外用をすると改善が早まります。
深いやけどでできた傷は、傷跡(瘢痕)となり、傷跡はひきつれた状態になったり、赤く盛り上がった状態(肥厚性瘢痕・ケロイド)になることもあります。
瘢痕は、治療をしても残ってしまう場合が多いですが、改善をすることは可能です。
当院では、やけどのアフターケアに関しては、ビタミンAの外用をお勧めしています。
それは、炎症により増えてしまったメラニン色素の排泄を促し色素沈着を改善し、コラーゲンなどを増やすことで、傷跡の改善を早める効果が期待できるからです。
浅いやけどのあとは、特にAケアをお勧めします。やけどの炎症が治まりびらんなどの傷が治った後からビタミンAの外用を開始することで、色素沈着の予防にもなります。
深いやけどのあとは、傷跡(瘢痕)が残りますので、Aケアのみでの治療は難しくなりますが、赤く盛り上がっていない状態であれば、瘢痕にもある程度の効果は見込めます。
しかし、瘢痕は完全には消えない場合もあります。
当院の塗るビタミンAは、エンビロンの製品を使用しています。
当院では、エンビロン製品によるビタミンA外用をお勧めしています。
エンビロンの製品には、ビタミンAとして、安定性の高いレチノール誘導体が配合されています。
低濃度から始め、徐々に高濃度にステップアップできるようになっていますので、肌の状態に合わせて使用することができます。
また、ビタミンA以外にも、美白効果のあるビタミンC、抗酸化作用や血行促進効果のあるビタミンE、各種ペプチドを配合していますので、より美容効果が高い製品となっています。
まとめ
やけど治療で大切なことはまず初期治療ですが、やけどの傷が良くなったあとでAケアを導入することで、やけどのあとの色素沈着や傷跡の改善をすることができます。
やけどの深さによっては、傷跡が残ってしまうこともありますが、浅いやけどのあとなら、Aケアできれいに治すことも可能です。
やけどは、起こさないように予防することがもっとも大切ですが、もし、やけどになってしまったら、正しい対処と適切な治療を行うようにしましょう。
そして、アフターケアをきちんと行い、傷跡を最小限にするように心がけてください。
やけどのアフターケアにお悩みの際は、当院に相談してくださいね!