こんにちは。秋葉原スキンクリニック 副院長の矢田です。
ご自身がワキガに悩んでいる、またはご家族のワキガ・ワキの匂いに悩んでいるという方の中には、できれば本格的な治療をしたいと考えている方もいらっしゃると思います。
しかし、
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- ワキガくらいで病院に行くなんて・・・と思われるのではないか?
- 何科へ行けばいいのか分からない。
- どのくらいお金がかかるのか分からなくて不安。
といった理由で、足を踏み出すことに躊躇してしまってませんか?
今日は病院でできるワキガの対策や治療の方法についてご説明します。
ワキガは何科の病院に行けばいいの?
ワキガで悩んでいるけれど、何科の病院に行けばいいか分からない・・・そんな方はいませんか?
ワキガで悩んでいる場合はまずは皮膚科または形成外科で相談しましょう。
日常生活で注意することを教えてもらったり、お勧めのデオドラントケア、汗を抑える外用剤(自費)を処方する施設もあります。
自宅ケア、手術、種々の保険適応外治療がありますので、様々な治療方法があることを知り、その中でご自分にあった治療を選択することが大切です。
病院でできるワキガの治療はどのようなものがあるの?
1、汗腺切除手術(剪除法)
保険適用で受けられるワキガの手術です。
ワキの下の皮膚をメスで切って裏返し、ワキガの原因になるアポクリン汗腺だけを切除していきます。
医師が直視して切除するために取り残しがなく、そのため再発は非常に少ない方法です。
また保険適用で手術をしている施設では、片脇2万円弱で手術を受けることができ、金銭的な負担が少ない方法と言えます。
また毛根も一緒に除去されるので脇毛が減るという、とくに女性にとっては嬉しい効果もあります。
ただし手術という方法にはいくつかデメリットがありますので、きちんと理解して治療に踏み切る必要があります。
ひとつは傷跡が残ること。
手術では脇の下を4〜5センチほど切開するため、傷跡ゼロというわけにはいきません。
また、手術後は脇の下全体を圧迫して固定する必要があり、デスクワーク程度の仕事はできますが、重いものを持ったり肉体労働をしたりといったことは1週間程度控えないといけません。
また、一回の手術につき、数日おきの術後処置通院が必要になる場合があり、スケジュールの調整が必須になります。
○メリット
- 効果が高い。
- 再発が少ない。
- 保険適用なので金銭的な負担が少ない。
×デメリット
- 傷跡が残る。
- 術後しばらくは日常生活に支障が出る。
- 何度か通院が必要。
※当院では剪除法ワキガ手術は現在行なっておりません。
2、ボツリヌス毒素注射
通称ボトックス注射と呼ばれる、汗を止める作用のある注射を脇に打つことで汗の量を減らす治療です。
汗腺には「エクリン汗腺」「アポクリン汗腺」の2種類ありますが、ボツリヌス毒素はアセチルコリンを阻害する作用により、エクリン汗腺からの発汗を抑制します。
ワキガの主たる原因のアポクリン汗腺はアドレナリンという物質により刺激されて発汗するため、ボツリヌス毒素が直接作用しないため、重症のワキガの方には適応になりませんが、軽度のワキガの方であれば、臭う汗がエクリン汗腺から出る汗により広がることを予防できるため、多少効果が期待出来る可能性があります。
治療にかかる時間もわずか5分程度(表面麻酔をする時間を除く)と非常に短く、メスを使わないのですぐに日常生活に戻れるのが最大の魅力です。
仕事中の昼休みに治療を受けることもできるほど手軽で傷跡が残る心配もないので忙しい方、傷を作りたくない方にはオススメです。
ボトックス注射の効果は3〜6ヶ月程度は持続しますが、発汗をずっと抑えたい場合は繰り返し注射が必要になります。
汗が多く、軽く臭う方。結婚式やパーティなどの特別なイベントが有り、一時的に発汗を抑えられれば良い方などには試してみる価値のある治療だと思います。
治療費は保険が効かないので両脇で6万〜10万程かかります。
○メリット
- 傷跡が残らず、短時間で手軽に受けられる。
- 軽いワキガで汗の量が多い方には良い治療。
×デメリット
- 効果が半年程度しか持続しない。
- ワキガの症状が強い方には適さない。
- 保険が効かないので金銭的な負担が大きい。
3、マイクロ波治療法
ミラドライという治療に代表される、マイクロ波を使ったワキガ治療法です。
マイクロ波というのは電子レンジでも使われているもので、水分を持った物質を熱する作用があります。
ミラドライによるワキガ治療ではこの技術を応用し、汗腺をマイクロ波で壊します。
麻酔を打つときにちくっとした痛みは生じますが、治療自体は痛くなく、治療当日から通常通りの生活を送っていただけます。(数日間、腫れとむくみは出ます。)もちろん傷跡は残りません。
またこちらも脇からの汗を減らす作用があるので脇汗に悩んでいる多汗症の方にもミラドライはオススメです。
一度完全に破壊された汗腺が復活することはないので再発はしにくいのですが、症状が強い方は1度の治療では完全には改善されず、日を空けて2回目の治療をする方もいます。
ミラドライも保険が効かない自費診療ですが、35万円前後と、比較的高額の治療費がかかるので、それが唯一のデメリットともいえるでしょう。
○メリット
- 痛みや日常生活への支障がない。
- 傷跡が残らない。
- 汗の量や脇毛も減る。
×デメリット
- 自費診療で、比較的高額である。
4、フラクショナルRF治療法
表面に麻酔をして脇の治療箇所に針を刺し、その先から高周波(Radio Frequency)を流し、汗腺を破壊するという治療です。
代表的なものはビューホットという治療機です。
ミラドライと同様に術後の日常生活への支障も少なく、傷跡も残らないのが人気の秘密です。
ミラドライに比べてハンドピースが小さいため、ワキガ以外にも乳輪・陰部・肛門の独特のニオイに悩む方にも適しています。
ただしこちらも自費診療で、35万円前後が相場です。
○メリット
- 傷跡が残らず、日常生活への支障もない。
- 表面麻酔をするため治療中の痛みがない。
×デメリット
- 自費診療で、比較的高額である。
※当院ではフラクショナルRF治療法によるワキガ治療は行なっておりません。
そもそもワキガで病院に行くなんて、恥ずかしい!
「そもそも病院でワキガの相談をするなんて、恥ずかしい・・・」
「受付でなんて言えばいいのか分からない・・・」
そんな風に感じてしまい、病院へ行くのを躊躇してしまっている方もいると思います。
しかし、問診票に記載するだけで、受付で「ワキガの相談をしに来ました」と言わなくても良いように済むクリニックも多くあります。
当院でも受付にいるスタッフには何も伝えて頂く必要はなく、問診票に相談内容を記載していただければ、あとは医師による診察まで特にスタッフから質問を受けることもありません。(何か別の治療中であったり服用中の薬がある場合は診察前に看護師が質問させていただくことがあります。)
まとめ
ワキガの病院での治療はいくつかあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
まずは病院で一度相談をして、それぞれの特徴とご自身のライフスタイルとを考慮して自分にあった治療法を見つけましょう。