こんにちは。秋葉原スキンクリニック 副院長の明石です。
当院でご相談いただくお悩みの中でも、多くの患者様を悩ませている「ニキビ」。
ニキビとは、医学的な名称を「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ぶもので、れっきとした皮膚疾患の一つです。ニキビは思春期だけ。と思っている方も多いと思いますが、実は30代、40代までの幅広い年齢層の方がこのニキビに悩まされています。
これまで、当院でもニキビの患者様に対しては保険診療でまかなえる外用薬(ベピオゲル®、ディフェリンゲル®、ダラシンTゲル®、アクアチムクリーム®など)や内服薬(抗生剤、漢方薬など)の処方、または自由診療の範囲となるケミカルピーリングやレーザー、スキンニードリングなどによる治療を勧めてきました。
しかし、それらの治療により一時的に(それが数カ月であったり、数年であったり)症状がおさまったのちに、再発するケースも見られ、根本的な解決とは言えず、私達医師も頭を悩ませていました。
AGNES(アグネス)の登場によりニキビの根本治療が可能になった
ニキビは皮脂腺の毛包が炎症を起こすことで発生する疾患ですので、皮脂腺が消滅すればニキビが発生しなくなる可能性が高くなると言えます。皮脂腺を消滅させることを可能にしたのが、韓国で開発されたAGNES(アグネス)です。実はこのAGNES(アグネス)、まだ国内では導入されているクリニックも少なく、当院でも2016年の夏に導入したばかりなのですが、その効果には目を見張るものがあります。
AGNES(アグネス)はレーザーにより毛根を破壊することでそこから毛が生えなくなる「永久脱毛」と同様の原理で、特殊な微細絶縁針を皮膚に刺入し、先端より高周波(RF:Radio Frequencyのこと)を発するシステムにより皮脂腺を破壊することで、その毛穴からニキビが発生することを根本的に阻止します。
そしてこのAGNES(アグネス)は思春期のニキビはもちろん、顎やフェイスラインの同じ毛穴から繰り返しニキビができることが多いアダルトニキビ、白ニキビ、黒ニキビ、赤いニキビ、膿んだ黄色いニキビなど、どれにも効果的を発揮します。背中や胸などのボディ部分のニキビ治療にも有効です。
しかし、残念ながらAGNES(アグネス)はケロイド状になってしまっているもの、陥凹性ニキビ瘢痕(かんおうせいにきびはんこん、いわゆるクレーター状のもの)の治療は難しいため、そこまで悪化する前に早めに治療することがとても重要になります。
AGNES(アグネス)による治療のメカニズム
AGNES(アグネス)は先端のみに高周波(RF)が伝わる特殊な微細絶縁針を皮膚に挿入し、挿入された状態で高周波を通します。針の根元部分、皮膚表面は絶縁されているので高周波が伝わらず、ダメージが生じません。
そして破壊された皮脂腺からは皮脂が排出されないので、ニキビが発生することがなくなる。という原理です。
AGNES(アグネス)治療の流れ
- 洗顔後、麻酔クリーム等で治療部位の表面を麻酔します。個数が少ない場合は皮膚表面をクーリングする程度でも治療が可能です。
- 必要に応じて角栓、皮脂魂の圧出処置を行います。
- アグネスを使って狙った皮脂腺一つ一つに治療を行います。治療中の痛みは若干ちくりとする程度です。
- 抗生剤と炎症を予防する外用薬を塗布して終了となります。
施術後に腫れや熱感がみられることがありますが、すぐに改善されます。またリンパ液などの浸出物は、軽くガーゼで拭くといいでしょう。
炎症性ニキビに対して治療を行った場合、翌日または翌々日に「メルティング」という処置を行います。メルティング処置とは、治療後、毛穴内部に溜まった皮脂や排出液の排泄を促すための高周波による痛みのない温めの処置です。もし翌日〜翌々日に処置を受けることができない場合はお風呂の中で温かいタオルを治療した部位に当ててゆっくりと押す処置で対応出来ます。
AGNES(アグネス)によるニキビ治療後のダウンタイム
AGNES(アグネス)は皮膚表面に刺激が伝わらないので、ダウンタイムも非常に少ないと言えます。
治療当日からパウダー程度のメイクも可能で、翌日からは通常通りのメイクもしていただけます。当日は治療した箇所が点状に軽く腫れるような状態になります。点状の赤みは数日〜3週間ほど続く場合がありますがメイクでカバーできる程度ですので、スケジュールをさほど気にせず治療が可能です。またごく小さなニキビに似た発疹が出ることもありますが外用剤を塗布していれば数日で治ります。
AGNES(アグネス)の治療期間
個人差がありますが、AGNES(アグネス)を1回施行しただけでも多くの方が効果を実感しています。平均すると3回程度の施術で多くの方がニキビの悩みから解放されています。個数により料金が変動するシステムとなっているため、1,2個だけ治療したい。広範囲に治療したい。というどちらの要望にも応えられることもAGNES(アグネス)治療の利点です。
AGNES(アグネス)による当院でのニキビ治療の体験記はこちら>>
AGNES(アグネス)による毛穴の治療
AGNES(アグネス)は毛穴の治療にも有効です。
皮脂の塊が酸化して黒くなったブラックヘッド(黒ニキビ)や、皮膚の中に詰まったホワイトヘッド(白ニキビ)、コメド(面ぽう)も治療ができます。
これらは自身の指で絞り出すと痕が残ったり、毛穴が広がってイチゴのようになったりする原因になります。しかしそうは言っても気になっていじってしまう方も多いのではないでしょうか。
ドラッグストアや化粧品売り場へ行くとこれらをケアするための商品が様々ありますが、どれも対処療法で根本治療と言えるものではありません。しかも一度広がってしまった毛穴は縮小させることが容易ではありません。
AGNES(アグネス)は、これらの発生源である皮脂腺を直接破壊する治療法ですので、鼻の毛穴の根本治療が可能だと言えます。
当院スタッフの治療例
この写真は1回目の治療後3週間を経過したものです。この時点でも改善は見られますが、この後さらに毛穴は縮小していき、かなり目立ちにくくなっていきます。
AGNES(アグネス)による毛穴治療の経過
毛穴の治療においては1〜2回の施術でブラックヘッド、ホワイトヘッドの数が劇的に減っていることを実感できます。また驚くことに、施術後6ヶ月程度経過すると、鼻尖部の丸みがシャープに変化するとも言われています。これは鼻の皮膚組織内に占める「皮脂腺の総容量」が減少するためであると考えられます。
皮脂腺を破壊しても大丈夫なの?
皮脂腺から排出される皮脂には肌のバリアの役割があります。これがないと皮膚は様々な刺激にさらされトラブルを起こす原因になります。AGNES(アグネス)はその皮脂腺を破壊するため、乾燥肌になってしまうのではないか?といった質問を寄せる方がいらっしゃいます。
人の顔には約20万個の毛穴がありますので、AGNES(アグネス)の治療による数十個〜数百個程度の皮脂腺破壊ではそのバリア機能が低下したり、肌が乾燥したりということは心配ありません。
そればかりか、真皮層の熱刺激によりコラーゲンが生成され、肌のキメを整え、ハリが生まれるという嬉しい2次的効果もあります。
AGNES(アグネス)の他の治療
AGNES(アグネス)はニキビ・毛穴の治療だけではなく、目の周りにプツプツとできる汗管腫(かんかんしゅ)の治療や、目の下のちりめんじわの改善、目の下のたるみ(アイバッグ)の改善にも有効です。
次回の記事ではアイバッグの治療についてご説明したいと思います。
ニキビ アグネス治療の副作用
1. 治療後は赤みが数日〜2週間続き、治療による浸出物が溜ります。また人により赤みが強く出ることもあるので、 治療予定日はこの点を留意することをお勧めします(お化粧は治療当日からすることが可能です)。
2. 発疹内部に溶けた皮脂や老廃物がたまることがあり、ごく小さいニキビに似た発疹が出ることがあります。この症状を予防・治療するために内服薬と外用剤の処方をお勧めしています。ニキビ状の腫れが強い場合は保険治療も行えますのでご相談ください。
3. 首のニキビは治療後、1~2ヶ月間、色素沈着が続く場合があります。
4. ニキビケロイドや陥凹性ニキビ瘢痕(かんおうせいにきびはんこん)には効果がありません。
5. ファンデーションは翌日より可能となります。こすらないように優しくメイクアップしてください。
ニキビ アグネス治療の料金
1〜4個 ¥10,000(局所麻酔 +¥1,000、クリーム麻酔 +2,000)
5〜10個 ¥15,000(局所麻酔 +¥1,000、クリーム麻酔 +2,000)
11〜20個 ¥20,000(クリーム麻酔 +3,000)
21〜30個 ¥30,000(クリーム麻酔 +3,000)
31〜40個 ¥40,000(クリーム麻酔 +3,000)
41個以上、追加1〜10個ごとに ¥10,000(41個以上のクリーム麻酔は一律¥5,000)
初・再診料と保険適用以外の治療費・薬剤などには別途消費税が必要となります。
(初診料¥3,000・税別、再診料¥1,000・税別)